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ラオス小児医療強化プロジェクト:現地活動(豪雨被害支援活動)レポートVol. 3

10月半ばに行った感染症対策アウトリーチ活動からおよそ1か月。
世界の医療団は、被災した村民との話し合いをもとに、不足している生活用品のリストを整理し、その調達を進めてきました。
同時に、村民とのアセスメントもとに計画を進める共同トイレや水場の設置に向けて、郡保健局水衛生管理課と資材調達の準備を行っています。
今回は、生活物資の配布、トイレ・水場の資材調達に向けた最終調整のため、フアムアン郡労働福祉局、保健局と合同で村落を訪問しました。

各村に配布した生活物資は、寝具、服、台所用品・食器、農具です。衣食住へのストレスを軽減することで、農業で生活を支える村民が、いち早く自立への一歩を踏み出すことを目的としています。各村の状況に応じて準備したため、内容は少しずつ異なります。
例えば、村役場で保管していた村民の農具が流されてしまった村では、今年の収穫を糧に、来年に向けて農具の調達を考え始めていました。そのため、世界の医療団は、村人が共同使用できるよう当面使用できる農具を調達しましたが、残りの農具は村民自身による調達に任せることにしました。

すべての家と家財を失ったある村人は「あらかじめ物資調達の相談があり、必要な家族に必要なものが届けられたことがありがたい。これで、必要なものは一通りそろった。」と物資を受け取った後、安堵の気持ちを伝えにやって来ました。

労働福祉局からの物資配布は、これまでのところ善意の寄付に頼らざるを得ない状況にあり、「誰を対象に何をいつまでに配布する」という見通しを立てることができません。
今回一緒に村々を回った郡労働福祉局長は、村人からの感謝と、配布方法の改善要望の両方を見聞きしており、「村人の意見を尊重しながらの物資配布は、今までになかった」と複雑な心情を話してくれました。

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握手する村長(左)と郡労働福祉局長(右)


この村では、家屋が全壊した家族、60%以上の家屋が損壊した家族を優先して、生活物資を配布。次回は「家の損壊度60%未満でも、多くの生活用品を流された家族への支援について検討すること」を村人に説明しました。

また前回、トイレ設置計画を一緒に話し合った村人から、「トイレの穴(*)はもう掘って、準備万端だよ」との報告がありました。(*水洗トイレを設置する際にタンクを埋める穴のこと)
確認に行くと、2.5mほどの穴が見事に完成しており、周りにいた仮設で暮らす住民たちが「酔っぱらって落ちたら、上がってこれないよ」と冗談を言いながら笑っていました。
別の村でも、4人で4日間かけて堀った穴が完成していました。

この様子を見て「資材調達を急がなければ」という思いが沸いてきました。支援とは「提供する・受け取る」という一方的な行為ではなく、「相互に前進していくもの」だと、改めて感じた瞬間です。

トイレ設置計画


*本事業は事業資金の多くを外務省「日本NGO連携無償資金協力」の支援を受け、2017年2月より活動を展開しています。

*これまでの「ラオス小児医療強化プロジェクト」活動記事はこちら

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