手続き無視の即決での死刑執行
人質に取られ、銃撃される市民。逮捕、拷問の末、殺害される医療従事者。シリア国民の暮らしは劇的なまでに悪化の道を突き進んでいます。犠牲者数は日を追って増し、4月時点で既に7万人もの命が奪われました。逃げる以外に生き延びる手段はない
実際、シリア国内避難民は6月中旬迄に425万人を数えました。また、150万人以上がヨルダン、レバノン、トルコ、イラクなどの周辺国に逃げたが、周辺国のシリア難民の受入れも既に飽和状態で、出口のない状況にあります。毎月2,000件以上の診療を実施
世界の医療団はシリア北部で既存の2箇所の保健所と移動クリニックを通して毎月2,000件以上の診療を実施しました。昨年暮れに同じくシリア北部で開設した産婦人科クリニックでの妊産婦・乳幼児への支援、ヨルダンのラムサとキング・アブドゥラ公園難民キャンプでの支援、また、ヨルダンとレバノン両国で精神科分野での医療支援を強化しています。とりわけ深刻なのは、シリア難民が押し寄せ、たった9カ月間で、世界で最大の難民キャンプとなったヨルダンのザアタリキャンプです。ここでも世界の医療団は緊急支援を実施しています。3月だけでも診療件数は7,800件に上っていて、ニーズは増える一方です。この状況を受け、第2の診療所開設に向け、準備を進めています。
いただいたご寄付でできること。
私たちは世界の医療団です。
「世界の医療団」は1980年にパリで発足した、世界各地に医療・保健衛生分野の専門スタッフ中心に派遣し、人道医療支援に取り組む国際NGOです。国籍、人種、民族、思想、宗教などのあらゆる壁を越えて、世界で最も弱い立場にある人々に支援の手をさしのべることが、私たちの活動です。
3つの主な医療支援活動
- 緊急支援プロジェクト:人道の危機、自然災害、紛争や戦争による非常事態に対応する緊急支援活動です。
- 復旧支援プロジェクト:緊急プロジェクトに続き、災害から病院や診療所を復旧させ、医薬品の支給、現地医療職員の育成を行うことによって医療システムの建て直しを支援する活動です。このプロジェクトは、被災者の健康を身体と精神の両面からの治療で回復させる活動も行います。
- 長期発展支援プロジェクト:疾病予防対策、保健衛生教育制度、医療職員育成制度への長期的な支援を通して、現地社会の貧困や差別問題を解消することに貢献するものです。